2017.08.26 Saturday

産炭地・直方が原点、上川 伸 個展は9月3日まで!

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    みぞえ画廊福岡店にて開催中の上川伸個展は、東京店と合わせて、みぞえ画廊では4回目の個展となります。

    印象的な作品もさることながらタイトルも作品の輪郭を強めているかのようです。

    言葉からインスピレーションを得て、言葉に込められた意味を形にしていくことも多いそうです。

     

     

    今までの心象風景とは違ったテイストの新作も見受けられます。タイトルは「包含」。

     

     

    直方という産炭地の出身である上川伸先生の作品は、土色、黄色が強く印象に残ります。

    煤に染まった街に暮らす人々の生命力と、それを支える大地の力は、美意識の根源でもあるといいます。

     

    今回の大作は、F150号(2273x1818mm)の、「SHELL」という作品です。

    SHELL=貝、殻、弾、皮、甲羅、介・・・。様々な意味がある単語です。

    大きな建造物のような物が描かれていますが、それは一歩の柱のみで自立しています。

    さらに上に向かって建設が進むのか、骨組みが飛び出しています。

     

     

    地平線をぼかしたり、かたちの角度を試行錯誤するなど、「スケール感」の表現に挑戦した今作。

    細部は風化しているようにも見えます。

     

     

    そのほかの作品にも変化が。今までの上川yellowの上に、コバルトブルーが風化したような色が加わっています。

    忘れられた遊具のような粉っぽい青は膨大な時の流れを感じさせます。

    形の大きさ、戻らない時間というものの大きさ、それらが表現された作品の存在感を是非、ご覧ください。

     

     

    上川伸先生の廃墟好きの一面が発覚。廃墟好きの方は琴線に触れるのではないでしょうか?!

     

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    2017.07.30 Sunday

    【福岡店】絵画の目展 開催いたしました!

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      絵画の目展が本日19時まで開催中です。

      開催初日には、遠方からの出品作家の方々もオープニングパーティーに出席され、会場はたくさんのお客様で賑わいました。

       

       

      滝純一先生は、二紀展内閣総理大臣賞を受賞した作品と同タイトルの作品を出品されました。羊を描くきっかけとなったのは、アトリエの近くにある農家から逃げ込んできた羊との出会いだったそうです。

       

       

      河内成幸先生の作品は、木版凹凸版刷りという技法を作り、木版画の新しい表現を展開されている方です。近年取り組まれている富士のシリーズで、古典的な図柄を現代的にアレンジすることで日本文化の起源を探ります。

       

       

       

      三村伸絵先生は、植物や自然界の美しさに対する感動を、写生を繰り返すことで純化した状態で、和紙に筆を下すことの重要性を、日本画の技法なども交えて丁寧に解説してくださいました。

      日本画の白色は胡粉、すなわち牡蠣の貝殻の粉末でできており、これを膠で捏ねて、小皿に100回以上たたきつける工程が必ず必要なのだそうです。それをおろそかにすると、ざらざらとして透明感のない白になってしまい、下準備の取り組みが分かりやすく表れる部分です。

       

       

      樺山祐和先生の作品は、一見して墨で描いたように見えますが、すべて油彩です。

      遠くから見た時と、近くから見た時では、見えてくる形や色が違います。

       

       

      川合朋郎先生の作品は、幻想的な色彩とタッチで、人間の根源的な姿を示唆するようにも思えます。物語のワンシーンを切り取ったかのようなタイトルもそれを彷彿とさせます。

       

       

      東京でしか見れない作家の方の作品が福岡で見ることができるとあって、たくさんのお客様がご来廊されました。

      みぞえ画廊では初めて取り扱う作家の方々の作品で、新鮮な驚きをもって鑑賞されました。

       

       

      大庭英治先生の作品は、何気ない日常の様子を題材に描く抽象画です。こちらのタイトルは「卓上」。清涼感のある鮮やかな色彩に惹かれたお客様、電撃的売約です。

       

       

      工藤晴也先生の作品は、大理石や色ガラス、鉄くぎなどを敷き詰めたモザイク画です。巨大な壁画などを依頼制作されていることが多く、今回、画廊への小さな作品の発表は初めてでした。

       

       

      藤田邦統先生の作品は、タイトルは「しま」。同タイトルの作品を多く制作されており、個展のタイトルにもなっています。想像を膨らませることのできる作品です。

       

       

      西村冨彌先生の作品は、今まで見た様々なものを重ね合わせて作り出される心象風景です。どこか現実味のない世界観によって、鑑賞者は前後の感覚をなくしてしまうような不思議な作品です。

       

       

      大川心平先生の作品は、ロココの代表的な作家であるジャン・オノレ・フラゴナールの「ブランコ」を下敷きとしています

      文献などでも引用といった手法があるように、美術にも、これまでの美術の文脈を作品の中に盛り込むことがあります。

      ロココ調の作品に時代的揺さぶりをかけるために描かれた現代的な街やガスボンベ、そして道路標識。

      この仕掛けに共感するように、こちらも売約となりました。

       

       

      今井麗先生の作品は、トースト、おそらく朝食の様子を油彩で描いた作品です。軽やかな筆致がトーストの触感を思わせます。

      1982年生まれとお若いですが2児の母。生きる糧を描くということには、感謝の念が感じられます。

       

       

      皆様ご来場ありがとうございました。

      福岡店

       

       

      2017.07.13 Thursday

      【東京店】没後25年 平野遼展開催中

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        東京店では7月8日より 没後25年〈 平野遼展 〉が始まりました。

         

        平野遼の生い立ち、画歴に関しては福岡店での「平尾遼展」スタッフブログ
        (2017年3月15日)に詳しくございます。ぜひ併せてお読みください。

        http://blog.mizoeartgallery.com/?eid=151

         

        常に人間の内なる深淵を見据えて制作された深い色調の油彩、水彩絵の具が
        乾ききらないうちに蝋燭を擦りつけていくことを繰り返して偶然発見した蝋画、
        銅版画など、群像・肖像・周辺の人々・心象風景を描いた24点です。

         

        まず「木陰の下の群像」100号が目を引きます。
        大きな樹の木陰に人々が集まり、熱心に何を語り合っているのか…
        「昔はどの地方にもシンボルツリーがあってそこに人々が集まってくるものだった。
        今はそんな木がなくなりましたね。」と話された方がいらっしゃいましたが、これは
        中央アジア・プラハへの旅の1枚です。
        平野遼は1974年から毎年のようにヨーロッパ、中央アジア、モロッコなどへ
        出かけました。

         

        油彩画「砂漠の人」、「フィレンツェの人」、「手相見を囲む女たち」
        更に「城壁の前の男 モッロッコにて」「カスバの老人」などは、軽快な筆致で
        彫りこんだドライポイントの作品で、それぞれ旅先で出会った人々を描いています。

         
        「木陰の下の群像」100号

         
        「フィレンツェの人」1978年20号 「手相見を囲む女たち」1970年10号

                ドライポイント


                        デッサン「自画像」

         

        「自画像を描く仕事は、自分を凝視することで、遥かに遠い彼方から生成する命を
        掴み取ることのようで、完成など永遠にあり得ないかもしれません。」と1990年の
        対談で平野遼は語っています。

         

        明るい光の背景の前にあって、手を組みじっとこちらを見つめ、圧倒的な印象で迫り、
        観る者の心に問いかけてくる。この「像」の前に立ち、向き合い、静かに感じて
        いただきたい画家の心象風景です。
         

                      「像」1971年40号

         

        ほかにも抽象画の数々、俳優内藤武敏を描いた「手を組む男」など興味深い作品が展示されています。


                         

           
           

         

        梅雨明けかと思わせる暑い日々が続いていますが、平野遼展は7月23日(日)まで
        是非お出かけください。

        2017.06.30 Friday

        進化はとても創造的です 田部光子展 開催中です!

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          みぞえ画廊福岡店にて、「進化はとても創造的です 田部光子展」開催中です。

           

           

          初日、6月24日には、あいにくの雨天でしたが、それでも沢山の方が来られました。ニューヨークまで先生の個展を見に行ったこともある熱烈なファンの方もおられました!

           

           

          キャンバスだけでなく、アクリル額の内側にマーカーで描く事で、わずかな奥行きを最大限に生かす、「さようならボネガット」「色彩の魅力」は、常に進化を続ける田部光子先生の、意欲的新シリーズ。ボネガットとは、20世紀アメリカ人作家の中で最も広く影響を与えた人物とされている、カートボネガットを指します。

           

           

          会場の中央に並ぶ3点の大作はギリギリまで制作していたという最新作です。金箔、真鍮の林檎、引用文、コラージュ、絵の具を滴らせる描法など、集大成とばかりに要素がミックスされつつも、突き抜けるような明朗さを失いません。

           

          前回、みぞえ画廊田園調布店での個展の目玉であった「風神雷神図屏風」のオマージュ的作品と、

           

           

          絵の具のしたたりで重力の力を表し、天気予報図のコラージュと合わせることで宇宙の因果を表現した「万有引力」の屏風仕立ての作品も登場しました。

           

           

          画集にも掲載されているシリーズで「jewelry box」またの名を「宝箱」。

           

           

          その細部は、卵の形をしたオブジェが並び、さらにビーズが敷き詰められています。

          それらはかわいらしくも、臓器のような毒々しさも感じられます。

           

           

          田部光子先生は、しばしば会場にいらっしゃいます。ぜひご本人のエネルギッシュな様子もご覧いただきたいと思います。

           

           

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          2017.06.07 Wednesday

          小嶋勇展−EARTH−開催中です!

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            みぞえ画廊福岡店にて、小嶋勇展―EARTH—開催中です。

             

             

            初日はオープニングパーティーがあり、たくさんの人でにぎわいました。

            気さくでおおらかな先生のお人柄を慕って、幅広い世代の方々がご来廊されました。

             

             

            どの作品も、鮮やかな色が印象的です。

            鳥の視点で大地を臨んだ様子をイメージして描かれたEARTHシリーズと、

             

             

            おぼろげな蝶のシルエットが現われる、蝶の森シリーズ、その他数点の小品で構成されています。

             

             

             

            小嶋勇先生は、8年間ブラジルに定住され、アーティスト活動をされていました。その後も日本とブラジル、その他の海外を行き来しながら作品発表を続けられています。

            使われているのは和紙。それを水で湿らせ、水溶性の油絵具を刷毛で何度も塗ったり、絵具をかけ流すことで、筆で描く従来の絵画とは全く違った絵肌を完成させています。

            工程の中で、和紙に自然に穴やしわが出来ます。それをそのまま生かし作品にすることで、人知では触れることのできない領域をも表現されているように思われます。

            「どうやって描いているんですか?」という質問に、小島先生は一つ一つ丁寧に答えていらっしゃいました。

             

            (部分)

             

            (部分)

             

            作品を眺めていると、白く、ひび割れたような箇所が目に留まります。

            和紙とは違い、硬質で、しっとりとしているように思われる部分で、大理石の粉が主な成分ということです。

            人工物をイメージしておりやはりこれも、塗ったあとに自然にひび割れてくるのだそうです。(取れたりはしません)

            人が作ったものはやがて朽ちてゆくのに対して、自然は絶えることなく残ると考え、その普遍性をEARTHシリーズでは表現しています。

             

            会期はあと一週間となりました。土日は作家の方が在廊している可能性が高いので、是非ご来廊ください。

            2017.06.05 Monday

            【東京店】開廊5周年記念展ピカソ、その芸術と素顔

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              開廊5周年記念展 ピカソ、その芸術と素顔

              5月20日〜6月25日 

              10:00〜18:00 会期中無休

               

               

              みぞえ画廊田園調布は、美術を愛する多くの皆さまに支えられて

              開廊5周年を迎えました。心よりお礼申し上げます。

               

              記念展として「ピカソ、その芸術と素顔」と題する展覧会が始まりました。

              みぞえ画廊が所蔵する油彩2点と、ピカソ晩年の何気ない日常を写した

              写真80点ほどが展示されています。

               

              写真右「静物」は1937年4月25日の日付とサインが入れられています。

              パイプ、酒、本、きらめく星… 誌的な雰囲気があり、穏やかな時間が流れています。

              この「静物」が完成した翌日、内戦中のスペイン・ゲルニカで空爆があることなど

              全く想像すらできない静かな作品です。

               

              写真左「男の顔」は、ピカソ自らが企画しアヴィニヨン教皇庁で展覧会を開催する予定で

              描き貯めていた肖像画の1枚です。1972年に描かれましたが、翌年のピカソの死により

              その企画展は追悼展として開催されました。

              (4月9日NHKの日曜美術館でこの「男の顔」が紹介されました。)

               

               

              下の写真群は、ピカソと家族同様に親しく付き合ったアルゼンチン生まれの

              ジャーナリスト・写真家のロベルト・オテロが、ピカソの魅力的な日常を写したものです。

               

                

               

               

              それぞれの場面にエピソードがあり、来廊されたお客様は、小さなコメントを

              読みながら1点1点を興味深くご覧になっています。陶器に絵付けをする姿、

              眼光鋭くこちらを見据えているもの、ピカソコレクターと向き合う真剣な表情、

              詩人に自身の作品を見せている姿、そして家族との穏やかな表情。

              初めて目にする80代半ばのピカソです。

               

              ダニエル=ヘンリー・カーンワイラーの話

                

              ドイツ出身のパリの画商で1907年ヴィニョン街に小さな画廊を開き、

              ピカソ(26歳)、ブラック、ドランと契約します。1908年に開いた

              ブラックの個展で、ヴォークセルが寄せた展評に「キュビスム」という

              呼称があり、それ以後ブラック、ピカソらキュビストの作品は専ら

              カーンワイラーが扱うことになります。若く新しい芸術家を経済面でも

              理論面でも支援しつづけ、「ピカソの画商」と言われるほどピカソとの

              関係が深く、60年間の付き合いがありました。

              ピカソはカーンワイラーをモデルに、上のような作品を描いています。

               

              クリスチャン・ゼルヴォスの話

               

              写真中央はクリスチャン・ゼルボスです。

              ピカソのカタログ・レゾネ(Catalogue raisonné)編纂者として

              知られています。通称「ゼルヴォス・レゾネ」と呼ばれます。

              1932年に第1巻を刊行、ピカソの油彩・素描16,000点以上を

              載せて1978年まで全34巻が刊行されました。レゾネには、

              作家の全作品について、図版、制作年、来歴、サイズ、所蔵者、

              言及論文などの情報が記載されています。

              ピカソの油彩画を購入する際、「ゼルヴォスの何番に載っている

              作品」というのが何よりの証明で、作品鑑定のよりどころになる

              権威あるものです。

               

              マリー・テレーズの話

              鉛筆による素描のように美しい1928年制作のリトグラフ「マリー・テレーズの横顔」も展示されています。

              神秘的で夢見るような表情のマリー=テレーズ・ワルテル。

              マリーは17歳で46歳のピカソと出会い、1927年から1935年まで愛人関係にありました。ピカソの妻オルガ・コクローヴァはピカソとマリーの間に娘マヤが生まれたと知り、ピカソの元を去りますが、ピカソは財産分割問題を回避するために、妻と別れることをせず長く別居状態を続けました。

              マリーとの出会いによってピカソの作品に変化が生じたと言われます。1930年にはノルマンディーのボアジュールに古城を購入し、マリーを呼び寄せます。その魅力的な容貌はピカソを捉え、インスピレーションを与え、多くの彫刻や絵画のモデルになりました。

               

              ピカソをめぐる女性たち、フェルナンド・オリビエ、エヴァ・グエル、オルガ・コクローヴァ、マリー=テレーズ・ワルテル、ドラ・マール、フランソワーズ・ジロー、今回展示の写真にピカソと写るジャクリーヌ・ロック。

              ピカソが亡くなった2年後にジャクリーヌが、4年後にマリーが後を追います。

              女性たちにとってピカソはあまりに大きな、大きすぎる存在だったのではないでしょうか。

               

              6月25日まで開催しています。

              この機会にぜひ、素顔のピカソに会いにいらしてください。

              2017.05.21 Sunday

              堤 康将 個展 開催中です!

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                JUGEMテーマ:展覧会

                 

                堤康将個展 開催中です。

                 

                 

                全ての作品に銀箔が貼られていますが、派手な印象はありません。

                銀箔を腐食させる技術により、落ち着いた色調にまとめられているためです。

                腐食の度合いで銀箔の様々な色合いを引き出し、光の当たり方や、見る方向でも違って見えます。

                絵具で描いているかのような複雑な箇所(作品の上部など)も、銀箔の腐食の色だけで表現しており、その仕事ぶりはベテランの作家が見ても感嘆と共に評価されています。

                 

                 

                目を引くのは本展開催ギリギリまで描きこんだという大作。鯱の群と、電信柱に留まったハヤブサ。電信柱はその色彩から竹のようにも見える、との感想も。

                 

                鯱、ハヤブサ、電信柱は、作品に頻出するモチーフで、それぞれに意味があります。

                 

                物憂げにも見える、まるで人間のような鯱の目。

                鯱の知能は優れており人間と同等またはそれ以上とする研究もあるほど。そのため作品中では人間の比喩表現として用いられています。

                 

                ハヤブサが描かれた作品には、「泳ぐ鳥」とタイトルが付くことがあります。ハヤブサは水の中を泳いでいる状態として描かれているのです。空気と水が逆転したら、どんな世界なのか?そんなあべこべな世界が、作品の基本的な世界観です。

                その中で、ハヤブサは、あべこべな世界の象徴として、または人の無意識を表すものとして登場します。

                 

                 

                ちょっと不思議な世界を描いた作品たちは、いつもの日常を、違った視点で覗くことのできる、別世界への窓のようにも思えます。それに誘われるように、お子様からご年配の方まで、十人十色の感想が飛び交う展示となりました。

                 

                会期も残すところあと一週間となりました。ぜひ足をお運びください。

                 

                ※取材陣に作品の前を歩いてくださいと言われ困惑しつつも歩を進める堤康将先生の図。

                2017.04.19 Wednesday

                小松孝英 個展 [Satoyama] 開催中! 2017年4月15日〜30日

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                  3月のアートフェア東京に続き、田園調布でも小松孝英 個展 [Satoyama] が始まりました。
                   


                  昆虫、特に蝶への関心が強く「誰がこんなデザインをしたのだろう。色づかいがすごい。」という幼少期の好奇心。 蝶のフォルムへの興味から、筆を握られキャンバスに向かって、アート作品へとして昇華していきました。 小松先生は生物の多様性や生態系の変化をテーマに描き続けておられ、今でも、虫捕り網を持って水辺や野原を歩き回る先生の思いが込められた作品の数々が並んでいます。
                   
                  「あの頃」と題した150x50cmの作品

                  昭和30年代には日本のどこでも見られた昆虫たちが、最近は絶滅したかのように見られなくなった、と小松先生は仰います。見かけなくなった昆虫を小松先生自身で捕えて標本に。



                   

                  琳派の技法を想わせる堂々とした「流水吸水図」150x50cm 

                  水音が勢いよく聞こえてきそうな滝壺に、蝶が舞い降りています。
                  時間の経過とともに背景の銀箔のくすみが増し、水の流れが際立てくることを読み込んで制作されているそうです。


                  みぞえ画廊の庭に蝶が舞っているかのように錯覚する美しく華やかな「羽籠」F12号(部分)


                   

                  「作品を下に置いて上から覗くと、ほら、こんな風に水面にハヤが映って見えるんですよ。」と小松先生はおっしゃいます。爽やかな水辺を身近に置ける、『ハヤ』はそんな1点。近づいて、美しく淡いブルーの水を切って泳ぐ様を感じていただきたい作品です。

                   

                  「蛙の子群生図」と「蛍群舞図」
                  オタマジャクシが、蛍が、群れ集まっている…小松先生お気に入りの意欲的な2点。


                  「蝶出目金」アクリル・箔・キャンバス F8号 2016年

                  オブジェ「蝶出目金」レジンキャストにアクリル
                  英語名「バタフライ‐ポップアイド ゴールドフィッシュ」。ポップアイ、という名称がぴったりの愛らしい出目金も誕生しています。



                  アロハポロシャツ『ミヤザ着』
                  トヨタ・レクサス ニュー匠プロジェクトは、日本各地で新しいモノづくりに挑む若い「匠」を応援しています。
                  宮崎県からは小松先生が選ばれて、現在みぞえ画廊玄関正面に展示されている「羽籠」を全面にあしらったポロシャツが制作されました。ボタンは宮崎県産の飫肥杉(オビスギ)が使われ、同時にスカーフも制作されています。

                  僅かに蒸し暑さも感じられるようになってまいりましたが、日一日と木々の緑が増しています。
                  みぞえ画廊に蝶が舞っているような華やかな作品、清涼感のあるハヤが泳ぐ作品。
                  小松作品をぜひ直接感じていただきたい、と願っています。
                  4月30日(日)まで開催していますので、どうぞお出かけくださいますようご案内申し上げます。

                  2017.04.12 Wednesday

                  「リニューアルオープン記念展 ピカソ、その芸術と素顔」開催中です!

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                    ※ご好評につき、会期延長となりました!5月7日まで開催中です。

                     

                     

                    みぞえ画廊が、4月1日よりリニューアルオープンすることを記念して開催される本展では、パブロ・ピカソの油彩を2点と、版画を2点、そして、その友人である写真家のロベルト・オテロが撮影した、ピカソの素顔を映す写真を75点ほど展示しています。

                     

                    このうち、「静物」は、日本初公開となります。代表作の「ゲルニカ」と同じ1937年に制作され、ゲルニカ空爆の前日に完成した作品です。

                     

                    (中央が「静物」38x61.1cm 1937年)

                    一説によると、当時恋人だった、ドラ・マールの趣味だったものなどが影響しているのではとも。

                     

                    また、もう一つの油彩画「男の顔」は、ピカソが亡くなる一年前(90歳)に描かれた作品です。

                     

                    (右端「男の顔」73x60.2cm 1972年)

                    ピカソは晩年、本作品のような顔をモチーフとした作品を多く描きました。2〜3年で描きためた作品で、自らの企画によりアヴィニョン教皇庁での展覧会を予定していましたが、ピカソの死によりその展覧会は追悼展となり、本作品も展示されました。

                    また、4月9日のNHK「日曜美術館 ピカソ×北野武」では、北野武さんが「ピカソは今心惹かれる画家」として本作品についても熱く語られました。(※再放送は4/16、好評につき再々放送は4/29)

                     

                    同時に、展示されているロベルト・オテロによる写真は、ピカソの知られざる姿の数々を赤裸々に伝えています。ピカソといえば、激しい芸術家、女性関係などすべてにおいて破天荒、といったエピソードに事欠かないことでも有名です。しかし、ロベルト・オテロが捉えた素顔は、家族や友人に愛されて穏やかに過ごし、目を輝かせて対話を楽しむ無邪気な一面でした。そしてその魅力的な人柄に翻弄されたのもまたピカソ自身であったことでしょう。

                    家族同然の親しい友人であったからこそ撮影出来た資料的価値の高い写真と、ピカソの油彩画を同時に展示する本展では、20世紀最大の画家ピカソの作品の新たな一面を覗くことができるのではないでしょうか。

                     

                    4月16日までの開催となっております。会期延長となりました!5/7まで、ぜひお出かけください。

                    2017.03.15 Wednesday

                    没後25年平野遼展 2017年3月4日より開催中!

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                      平野遼(1927〜1992)は、北九州を代表する画家です。

                      鋭い筆致で人物を捉えた素描や、絵の具をムラにさせたような独特の絵肌で完成させた重厚な油彩画で知られています。

                       

                      生れは大分市(旧佐賀関町)ですが、生後間もなく北九州市八幡東区へ移り住みました。

                      ほぼ独学で絵の勉強を始めたのが小学校2年のころ。当時を思い返し「惨憺たるもの」と語ったように、幼くして母を亡くし、父は仕事で夜半まで帰らず荒み、孤独な少年時代の絵との出会は、大変重要なものでした。

                       

                      終戦は18歳の頃。進駐軍のキャンプや芦屋の航空隊の催しのポスターを描き、纏まった金ができると東京へ出て、を繰り返しました。当時、東京と小倉はかなりの距離感があり、汽車で30時間かかりました。東京の美術館で展示されていた、松本俊介、靉光らの作品に感銘を受け、鮮烈に脳裏に焼きついたことも語られています。

                      平野遼といえば、蝋画による抽象画も有名ですが、この技法は、この頃より始まっています。電気代も払えず蝋燭の明かりで絵を描いていた時、偶然発見したといいます。蝋画は入選など評価されていましたが、やはり食べていけないと、25歳のころ、九州に戻りました。そして、一番の理解者となる清子氏と結婚。支えられながらも、進駐軍の肖像画を描く仕事をしつつ作品を発表し続け、徐々に評価を高めていきました。

                       

                       

                      47歳の時から、海外へ、取材旅行のために度々出かけました。ポルトガル、スペイン、ギリシャなどは、人間の正の状態がそっくりある、昔の日本を見せてくれるような魅力があると、人々の何気ない日常の様子や、崩れ落ちそうな家をスケッチしました。生前のインタビューでは、「流れていく時間に興味がある」「自分が書きたいものは律動する時間である」と語っています。

                       

                       

                      ちょっと怖いけれど引き込まれるようだ と、お客様からご感想を頂くことがあります。「東洋的空間をだしたいと、いつも思っている…(省略)描かれたものが、画面から飛び出してこず、画面の奥に引っ込んでなくてはいけない」「見ている人が画面の中に足を踏み込んでいけるなあという、そんな空間が作りたい」と心がけていたと語られており、それは、具象、抽象の両方の表現を採りながら生み出される、深い透明度の空間によって表現されています。

                       

                      激動の時代を生き、人間の闇と光を描き続けた画家のまなざしは、いつの時代も見る者の心に共鳴します。3月20日までとなっております。ぜひお出かけください。

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