2017.07.13 Thursday

【東京店】没後25年 平野遼展開催中

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    東京店では7月8日より 没後25年〈 平野遼展 〉が始まりました。

     

    平野遼の生い立ち、画歴に関しては福岡店での「平尾遼展」スタッフブログ
    (2017年3月15日)に詳しくございます。ぜひ併せてお読みください。

    http://blog.mizoeartgallery.com/?eid=151

     

    常に人間の内なる深淵を見据えて制作された深い色調の油彩、水彩絵の具が
    乾ききらないうちに蝋燭を擦りつけていくことを繰り返して偶然発見した蝋画、
    銅版画など、群像・肖像・周辺の人々・心象風景を描いた24点です。

     

    まず「木陰の下の群像」100号が目を引きます。
    大きな樹の木陰に人々が集まり、熱心に何を語り合っているのか…
    「昔はどの地方にもシンボルツリーがあってそこに人々が集まってくるものだった。
    今はそんな木がなくなりましたね。」と話された方がいらっしゃいましたが、これは
    中央アジア・プラハへの旅の1枚です。
    平野遼は1974年から毎年のようにヨーロッパ、中央アジア、モロッコなどへ
    出かけました。

     

    油彩画「砂漠の人」、「フィレンツェの人」、「手相見を囲む女たち」
    更に「城壁の前の男 モッロッコにて」「カスバの老人」などは、軽快な筆致で
    彫りこんだドライポイントの作品で、それぞれ旅先で出会った人々を描いています。

     
    「木陰の下の群像」100号

     
    「フィレンツェの人」1978年20号 「手相見を囲む女たち」1970年10号

            ドライポイント


                    デッサン「自画像」

     

    「自画像を描く仕事は、自分を凝視することで、遥かに遠い彼方から生成する命を
    掴み取ることのようで、完成など永遠にあり得ないかもしれません。」と1990年の
    対談で平野遼は語っています。

     

    明るい光の背景の前にあって、手を組みじっとこちらを見つめ、圧倒的な印象で迫り、
    観る者の心に問いかけてくる。この「像」の前に立ち、向き合い、静かに感じて
    いただきたい画家の心象風景です。
     

                  「像」1971年40号

     

    ほかにも抽象画の数々、俳優内藤武敏を描いた「手を組む男」など興味深い作品が展示されています。


                     

       
       

     

    梅雨明けかと思わせる暑い日々が続いていますが、平野遼展は7月23日(日)まで
    是非お出かけください。

    2017.06.30 Friday

    進化はとても創造的です 田部光子展 開催中です!

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      みぞえ画廊福岡店にて、「進化はとても創造的です 田部光子展」開催中です。

       

       

      初日、6月24日には、あいにくの雨天でしたが、それでも沢山の方が来られました。ニューヨークまで先生の個展を見に行ったこともある熱烈なファンの方もおられました!

       

       

      キャンバスだけでなく、アクリル額の内側にマーカーで描く事で、わずかな奥行きを最大限に生かす、「さようならボネガット」「色彩の魅力」は、常に進化を続ける田部光子先生の、意欲的新シリーズ。ボネガットとは、20世紀アメリカ人作家の中で最も広く影響を与えた人物とされている、カートボネガットを指します。

       

       

      会場の中央に並ぶ3点の大作はギリギリまで制作していたという最新作です。金箔、真鍮の林檎、引用文、コラージュ、絵の具を滴らせる描法など、集大成とばかりに要素がミックスされつつも、突き抜けるような明朗さを失いません。

       

      前回、みぞえ画廊田園調布店での個展の目玉であった「風神雷神図屏風」のオマージュ的作品と、

       

       

      絵の具のしたたりで重力の力を表し、天気予報図のコラージュと合わせることで宇宙の因果を表現した「万有引力」の屏風仕立ての作品も登場しました。

       

       

      画集にも掲載されているシリーズで「jewelry box」またの名を「宝箱」。

       

       

      その細部は、卵の形をしたオブジェが並び、さらにビーズが敷き詰められています。

      それらはかわいらしくも、臓器のような毒々しさも感じられます。

       

       

      田部光子先生は、しばしば会場にいらっしゃいます。ぜひご本人のエネルギッシュな様子もご覧いただきたいと思います。

       

       

      JUGEMテーマ:展覧会

      2017.06.07 Wednesday

      小嶋勇展−EARTH−開催中です!

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        みぞえ画廊福岡店にて、小嶋勇展―EARTH—開催中です。

         

         

        初日はオープニングパーティーがあり、たくさんの人でにぎわいました。

        気さくでおおらかな先生のお人柄を慕って、幅広い世代の方々がご来廊されました。

         

         

        どの作品も、鮮やかな色が印象的です。

        鳥の視点で大地を臨んだ様子をイメージして描かれたEARTHシリーズと、

         

         

        おぼろげな蝶のシルエットが現われる、蝶の森シリーズ、その他数点の小品で構成されています。

         

         

         

        小嶋勇先生は、8年間ブラジルに定住され、アーティスト活動をされていました。その後も日本とブラジル、その他の海外を行き来しながら作品発表を続けられています。

        使われているのは和紙。それを水で湿らせ、水溶性の油絵具を刷毛で何度も塗ったり、絵具をかけ流すことで、筆で描く従来の絵画とは全く違った絵肌を完成させています。

        工程の中で、和紙に自然に穴やしわが出来ます。それをそのまま生かし作品にすることで、人知では触れることのできない領域をも表現されているように思われます。

        「どうやって描いているんですか?」という質問に、小島先生は一つ一つ丁寧に答えていらっしゃいました。

         

        (部分)

         

        (部分)

         

        作品を眺めていると、白く、ひび割れたような箇所が目に留まります。

        和紙とは違い、硬質で、しっとりとしているように思われる部分で、大理石の粉が主な成分ということです。

        人工物をイメージしておりやはりこれも、塗ったあとに自然にひび割れてくるのだそうです。(取れたりはしません)

        人が作ったものはやがて朽ちてゆくのに対して、自然は絶えることなく残ると考え、その普遍性をEARTHシリーズでは表現しています。

         

        会期はあと一週間となりました。土日は作家の方が在廊している可能性が高いので、是非ご来廊ください。

        2017.06.05 Monday

        【東京店】開廊5周年記念展ピカソ、その芸術と素顔

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          開廊5周年記念展 ピカソ、その芸術と素顔

          5月20日〜6月25日 

          10:00〜18:00 会期中無休

           

           

          みぞえ画廊田園調布は、美術を愛する多くの皆さまに支えられて

          開廊5周年を迎えました。心よりお礼申し上げます。

           

          記念展として「ピカソ、その芸術と素顔」と題する展覧会が始まりました。

          みぞえ画廊が所蔵する油彩2点と、ピカソ晩年の何気ない日常を写した

          写真80点ほどが展示されています。

           

          写真右「静物」は1937年4月25日の日付とサインが入れられています。

          パイプ、酒、本、きらめく星… 誌的な雰囲気があり、穏やかな時間が流れています。

          この「静物」が完成した翌日、内戦中のスペイン・ゲルニカで空爆があることなど

          全く想像すらできない静かな作品です。

           

          写真左「男の顔」は、ピカソ自らが企画しアヴィニヨン教皇庁で展覧会を開催する予定で

          描き貯めていた肖像画の1枚です。1972年に描かれましたが、翌年のピカソの死により

          その企画展は追悼展として開催されました。

          (4月9日NHKの日曜美術館でこの「男の顔」が紹介されました。)

           

           

          下の写真群は、ピカソと家族同様に親しく付き合ったアルゼンチン生まれの

          ジャーナリスト・写真家のロベルト・オテロが、ピカソの魅力的な日常を写したものです。

           

            

           

           

          それぞれの場面にエピソードがあり、来廊されたお客様は、小さなコメントを

          読みながら1点1点を興味深くご覧になっています。陶器に絵付けをする姿、

          眼光鋭くこちらを見据えているもの、ピカソコレクターと向き合う真剣な表情、

          詩人に自身の作品を見せている姿、そして家族との穏やかな表情。

          初めて目にする80代半ばのピカソです。

           

          ダニエル=ヘンリー・カーンワイラーの話

            

          ドイツ出身のパリの画商で1907年ヴィニョン街に小さな画廊を開き、

          ピカソ(26歳)、ブラック、ドランと契約します。1908年に開いた

          ブラックの個展で、ヴォークセルが寄せた展評に「キュビスム」という

          呼称があり、それ以後ブラック、ピカソらキュビストの作品は専ら

          カーンワイラーが扱うことになります。若く新しい芸術家を経済面でも

          理論面でも支援しつづけ、「ピカソの画商」と言われるほどピカソとの

          関係が深く、60年間の付き合いがありました。

          ピカソはカーンワイラーをモデルに、上のような作品を描いています。

           

          クリスチャン・ゼルヴォスの話

           

          写真中央はクリスチャン・ゼルボスです。

          ピカソのカタログ・レゾネ(Catalogue raisonné)編纂者として

          知られています。通称「ゼルヴォス・レゾネ」と呼ばれます。

          1932年に第1巻を刊行、ピカソの油彩・素描16,000点以上を

          載せて1978年まで全34巻が刊行されました。レゾネには、

          作家の全作品について、図版、制作年、来歴、サイズ、所蔵者、

          言及論文などの情報が記載されています。

          ピカソの油彩画を購入する際、「ゼルヴォスの何番に載っている

          作品」というのが何よりの証明で、作品鑑定のよりどころになる

          権威あるものです。

           

          マリー・テレーズの話

          鉛筆による素描のように美しい1928年制作のリトグラフ「マリー・テレーズの横顔」も展示されています。

          神秘的で夢見るような表情のマリー=テレーズ・ワルテル。

          マリーは17歳で46歳のピカソと出会い、1927年から1935年まで愛人関係にありました。ピカソの妻オルガ・コクローヴァはピカソとマリーの間に娘マヤが生まれたと知り、ピカソの元を去りますが、ピカソは財産分割問題を回避するために、妻と別れることをせず長く別居状態を続けました。

          マリーとの出会いによってピカソの作品に変化が生じたと言われます。1930年にはノルマンディーのボアジュールに古城を購入し、マリーを呼び寄せます。その魅力的な容貌はピカソを捉え、インスピレーションを与え、多くの彫刻や絵画のモデルになりました。

           

          ピカソをめぐる女性たち、フェルナンド・オリビエ、エヴァ・グエル、オルガ・コクローヴァ、マリー=テレーズ・ワルテル、ドラ・マール、フランソワーズ・ジロー、今回展示の写真にピカソと写るジャクリーヌ・ロック。

          ピカソが亡くなった2年後にジャクリーヌが、4年後にマリーが後を追います。

          女性たちにとってピカソはあまりに大きな、大きすぎる存在だったのではないでしょうか。

           

          6月25日まで開催しています。

          この機会にぜひ、素顔のピカソに会いにいらしてください。

          2017.05.21 Sunday

          堤 康将 個展 開催中です!

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            JUGEMテーマ:展覧会

             

            堤康将個展 開催中です。

             

             

            全ての作品に銀箔が貼られていますが、派手な印象はありません。

            銀箔を腐食させる技術により、落ち着いた色調にまとめられているためです。

            腐食の度合いで銀箔の様々な色合いを引き出し、光の当たり方や、見る方向でも違って見えます。

            絵具で描いているかのような複雑な箇所(作品の上部など)も、銀箔の腐食の色だけで表現しており、その仕事ぶりはベテランの作家が見ても感嘆と共に評価されています。

             

             

            目を引くのは本展開催ギリギリまで描きこんだという大作。鯱の群と、電信柱に留まったハヤブサ。電信柱はその色彩から竹のようにも見える、との感想も。

             

            鯱、ハヤブサ、電信柱は、作品に頻出するモチーフで、それぞれに意味があります。

             

            物憂げにも見える、まるで人間のような鯱の目。

            鯱の知能は優れており人間と同等またはそれ以上とする研究もあるほど。そのため作品中では人間の比喩表現として用いられています。

             

            ハヤブサが描かれた作品には、「泳ぐ鳥」とタイトルが付くことがあります。ハヤブサは水の中を泳いでいる状態として描かれているのです。空気と水が逆転したら、どんな世界なのか?そんなあべこべな世界が、作品の基本的な世界観です。

            その中で、ハヤブサは、あべこべな世界の象徴として、または人の無意識を表すものとして登場します。

             

             

            ちょっと不思議な世界を描いた作品たちは、いつもの日常を、違った視点で覗くことのできる、別世界への窓のようにも思えます。それに誘われるように、お子様からご年配の方まで、十人十色の感想が飛び交う展示となりました。

             

            会期も残すところあと一週間となりました。ぜひ足をお運びください。

             

            ※取材陣に作品の前を歩いてくださいと言われ困惑しつつも歩を進める堤康将先生の図。

            2017.04.19 Wednesday

            小松孝英 個展 [Satoyama] 開催中! 2017年4月15日〜30日

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              3月のアートフェア東京に続き、田園調布でも小松孝英 個展 [Satoyama] が始まりました。
               


              昆虫、特に蝶への関心が強く「誰がこんなデザインをしたのだろう。色づかいがすごい。」という幼少期の好奇心。 蝶のフォルムへの興味から、筆を握られキャンバスに向かって、アート作品へとして昇華していきました。 小松先生は生物の多様性や生態系の変化をテーマに描き続けておられ、今でも、虫捕り網を持って水辺や野原を歩き回る先生の思いが込められた作品の数々が並んでいます。
               
              「あの頃」と題した150x50cmの作品

              昭和30年代には日本のどこでも見られた昆虫たちが、最近は絶滅したかのように見られなくなった、と小松先生は仰います。見かけなくなった昆虫を小松先生自身で捕えて標本に。



               

              琳派の技法を想わせる堂々とした「流水吸水図」150x50cm 

              水音が勢いよく聞こえてきそうな滝壺に、蝶が舞い降りています。
              時間の経過とともに背景の銀箔のくすみが増し、水の流れが際立てくることを読み込んで制作されているそうです。


              みぞえ画廊の庭に蝶が舞っているかのように錯覚する美しく華やかな「羽籠」F12号(部分)


               

              「作品を下に置いて上から覗くと、ほら、こんな風に水面にハヤが映って見えるんですよ。」と小松先生はおっしゃいます。爽やかな水辺を身近に置ける、『ハヤ』はそんな1点。近づいて、美しく淡いブルーの水を切って泳ぐ様を感じていただきたい作品です。

               

              「蛙の子群生図」と「蛍群舞図」
              オタマジャクシが、蛍が、群れ集まっている…小松先生お気に入りの意欲的な2点。


              「蝶出目金」アクリル・箔・キャンバス F8号 2016年

              オブジェ「蝶出目金」レジンキャストにアクリル
              英語名「バタフライ‐ポップアイド ゴールドフィッシュ」。ポップアイ、という名称がぴったりの愛らしい出目金も誕生しています。



              アロハポロシャツ『ミヤザ着』
              トヨタ・レクサス ニュー匠プロジェクトは、日本各地で新しいモノづくりに挑む若い「匠」を応援しています。
              宮崎県からは小松先生が選ばれて、現在みぞえ画廊玄関正面に展示されている「羽籠」を全面にあしらったポロシャツが制作されました。ボタンは宮崎県産の飫肥杉(オビスギ)が使われ、同時にスカーフも制作されています。

              僅かに蒸し暑さも感じられるようになってまいりましたが、日一日と木々の緑が増しています。
              みぞえ画廊に蝶が舞っているような華やかな作品、清涼感のあるハヤが泳ぐ作品。
              小松作品をぜひ直接感じていただきたい、と願っています。
              4月30日(日)まで開催していますので、どうぞお出かけくださいますようご案内申し上げます。

              2017.04.12 Wednesday

              「リニューアルオープン記念展 ピカソ、その芸術と素顔」開催中です!

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                ※ご好評につき、会期延長となりました!5月7日まで開催中です。

                 

                 

                みぞえ画廊が、4月1日よりリニューアルオープンすることを記念して開催される本展では、パブロ・ピカソの油彩を2点と、版画を2点、そして、その友人である写真家のロベルト・オテロが撮影した、ピカソの素顔を映す写真を75点ほど展示しています。

                 

                このうち、「静物」は、日本初公開となります。代表作の「ゲルニカ」と同じ1937年に制作され、ゲルニカ空爆の前日に完成した作品です。

                 

                (中央が「静物」38x61.1cm 1937年)

                一説によると、当時恋人だった、ドラ・マールの趣味だったものなどが影響しているのではとも。

                 

                また、もう一つの油彩画「男の顔」は、ピカソが亡くなる一年前(90歳)に描かれた作品です。

                 

                (右端「男の顔」73x60.2cm 1972年)

                ピカソは晩年、本作品のような顔をモチーフとした作品を多く描きました。2〜3年で描きためた作品で、自らの企画によりアヴィニョン教皇庁での展覧会を予定していましたが、ピカソの死によりその展覧会は追悼展となり、本作品も展示されました。

                また、4月9日のNHK「日曜美術館 ピカソ×北野武」では、北野武さんが「ピカソは今心惹かれる画家」として本作品についても熱く語られました。(※再放送は4/16、好評につき再々放送は4/29)

                 

                同時に、展示されているロベルト・オテロによる写真は、ピカソの知られざる姿の数々を赤裸々に伝えています。ピカソといえば、激しい芸術家、女性関係などすべてにおいて破天荒、といったエピソードに事欠かないことでも有名です。しかし、ロベルト・オテロが捉えた素顔は、家族や友人に愛されて穏やかに過ごし、目を輝かせて対話を楽しむ無邪気な一面でした。そしてその魅力的な人柄に翻弄されたのもまたピカソ自身であったことでしょう。

                家族同然の親しい友人であったからこそ撮影出来た資料的価値の高い写真と、ピカソの油彩画を同時に展示する本展では、20世紀最大の画家ピカソの作品の新たな一面を覗くことができるのではないでしょうか。

                 

                4月16日までの開催となっております。会期延長となりました!5/7まで、ぜひお出かけください。

                2017.03.15 Wednesday

                没後25年平野遼展 2017年3月4日より開催中!

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                  平野遼(1927〜1992)は、北九州を代表する画家です。

                  鋭い筆致で人物を捉えた素描や、絵の具をムラにさせたような独特の絵肌で完成させた重厚な油彩画で知られています。

                   

                  生れは大分市(旧佐賀関町)ですが、生後間もなく北九州市八幡東区へ移り住みました。

                  ほぼ独学で絵の勉強を始めたのが小学校2年のころ。当時を思い返し「惨憺たるもの」と語ったように、幼くして母を亡くし、父は仕事で夜半まで帰らず荒み、孤独な少年時代の絵との出会は、大変重要なものでした。

                   

                  終戦は18歳の頃。進駐軍のキャンプや芦屋の航空隊の催しのポスターを描き、纏まった金ができると東京へ出て、を繰り返しました。当時、東京と小倉はかなりの距離感があり、汽車で30時間かかりました。東京の美術館で展示されていた、松本俊介、靉光らの作品に感銘を受け、鮮烈に脳裏に焼きついたことも語られています。

                  平野遼といえば、蝋画による抽象画も有名ですが、この技法は、この頃より始まっています。電気代も払えず蝋燭の明かりで絵を描いていた時、偶然発見したといいます。蝋画は入選など評価されていましたが、やはり食べていけないと、25歳のころ、九州に戻りました。そして、一番の理解者となる清子氏と結婚。支えられながらも、進駐軍の肖像画を描く仕事をしつつ作品を発表し続け、徐々に評価を高めていきました。

                   

                   

                  47歳の時から、海外へ、取材旅行のために度々出かけました。ポルトガル、スペイン、ギリシャなどは、人間の正の状態がそっくりある、昔の日本を見せてくれるような魅力があると、人々の何気ない日常の様子や、崩れ落ちそうな家をスケッチしました。生前のインタビューでは、「流れていく時間に興味がある」「自分が書きたいものは律動する時間である」と語っています。

                   

                   

                  ちょっと怖いけれど引き込まれるようだ と、お客様からご感想を頂くことがあります。「東洋的空間をだしたいと、いつも思っている…(省略)描かれたものが、画面から飛び出してこず、画面の奥に引っ込んでなくてはいけない」「見ている人が画面の中に足を踏み込んでいけるなあという、そんな空間が作りたい」と心がけていたと語られており、それは、具象、抽象の両方の表現を採りながら生み出される、深い透明度の空間によって表現されています。

                   

                  激動の時代を生き、人間の闇と光を描き続けた画家のまなざしは、いつの時代も見る者の心に共鳴します。3月20日までとなっております。ぜひお出かけください。

                  2016.12.13 Tuesday

                  アフターセールが始まりました!「博多画傳三傑展 ー仙僉Ψ明隋α瓜囲此 博多町人文化の華」

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                    JUGEMテーマ:展覧会

                     

                    アジア美術館で開催いたしました、「博多画傳三傑展 ー仙僉Ψ明隋α瓜囲此 博多町人文化の華」は、短い会期だったにもかからわず、来場者は1010名を記録し、博多出身の芸術家への関心の高さが感じられました。

                     

                     

                    12月10日より、みぞえ画廊福岡店では、前述の展覧会のアフターセールを開催しております。(共催:兒嶋画廊)

                    アジア美術館で展示した作品の一部と、さらに展示していなかった作品も加え、106点作品がございます。

                    ※一部、倉庫にしまっておりますので、お尋ねください。

                    児島善三郎さんは、みぞえ画廊でも取扱いがありましたが、仙儺想陲気鵝冨田渓仙さん、の両名の作品は初めての展示となります。

                     

                    仙儺想陝1750〜1837)といえば、仙冢他阿量召膿討靴泙譟江戸時代を代表する禅僧の一人です。

                    軽妙洒脱な禅画などの作品を数多く残し、出光美術館にも多く所蔵されています。

                    風刺に満ちた警句や、博多の民衆との交流から生まれたユーモアにあふれた逸話も有名です。

                    冨田渓仙さんの祖父にあたる富田久右衛門さんは、 「素久さん」と博多の人から親しまれていた素麺屋(そうめんや)ですが、できたてのボタ餅を仙僂気鵑某べさせようと、 粉がいっぱいついた仕事衣を着たままとどけに行ったところ、 仙僂気鵑蓮屬舛腓辰搬圓辰箸なさい」と、法衣に着替えてきて、うやうやしく頂戴されました。 びっくり顔の素久さんに、仙僂気鵑蓮◆屬△鵑燭商売着を着ていなさるから、わたしも商売着を着て、 ありがたく受けないと失礼になる」と答えられたそうです。(参考ページhttp://www.ncbank.co.jp/chiiki_shakaikoken/furusato_rekishi/hakata/007/01.html)

                    展示中の作品の中にも、玉せせり、四王寺山、虚白院(聖福寺)と、博多の文化や土地が登場します。

                     

                     

                    玉せせりは1月3日に行われる神事です。競り子(祭りの参加者)の競り進む様子が、ユーモラスに描かれています。松、灯篭、鳥居なども描かれ、大変おめでたい作品です。

                     

                    冨田渓仙(1879〜1936)は、博多区麹屋町、現在の下川端に代々続いた素麺製造業の家に五男として生まれました。

                    京都に出て、都路華香に師事し、様々な分野を研究しながら、各地を旅し研鑽を積みました。

                    仙僂簓找鉄斎に傾倒しながらも、西洋の表現主義をも取り入れ、奔放な作風を築いた日本画家です。

                     

                    左)「鵜舟」、右)「蘭亭曲水」

                     

                    1912年の文展に、「鵜船」という作品が入選したことをきっかけに、横山大観に認められました。二人の交遊は続き、溪仙の死後も、横山大観はその早すぎる死を悼み、数百年に一度しか現れないような偉い画家であるとの言葉を贈りました。

                    当店に展示中の、「鵜舟」は、文展入選と同年ごろのもので、図柄もよく似ています。墨の1色のみですが、水面の輝く様子までもが伝わります。また、「蘭亭曲水」などの鮮やかな山水画には、富岡鉄斎の影響が伺え、南画風です。

                     

                    やわらかくシンプルな筆致で描かれる動物や人物は、仙涯和尚の影響でしょうか。様々な描き方を自在に操っています。

                     

                    2階会場では、児島善三郎の油彩のほか、掛け軸や、水墨の作品などの珍しいものも展示しています。

                     

                    墨の濃淡だけで、児島善三郎の色鮮やかな絵画世界が完成しているように思えます。

                    櫛田神社、太宰府天満宮、筥崎宮を描いた作品も展示販売中です。

                     

                    児島善三郎(1893〜1962)は、福岡市中島町に生まれた洋画家です。渡欧の後、西洋美術の骨格を大事にしながら、東洋的油彩画を完成させたとして、現在も高い評価を得ています。

                     

                    児島善三郎の作品だけでも、手ごろな大きさの花や風景画のほか、60号の人物画など、30点が並び、重厚な内容となりました。

                     

                     

                    ほかで類を見ない三者の協奏的な展示です。ぜひご覧ください。

                    スタッフ

                     

                    ※期間限定でwebshopにも一部掲載しています。こちらもぜひご覧ください。

                    2016.11.12 Saturday

                    望月菊磨展、いよいよ最終日となります

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                      みぞえ画廊福岡店では、現在望月菊磨展を開催しております。

                      明日、最終日は、望月菊磨先生も会場に来られます!

                       

                      初日は、オープニングパーティーの前に、ギャラリートークがありました。

                       

                       

                      壁にスライドを写し、これまでの作品の概要などを軽妙なトークでご紹介されました。

                       

                       

                      今回は、望月先生と筑紫が丘高校の御学友で、コピーライターの橋本明様から、展覧会に詩を2編寄せられました。

                      会場には、詩の展示もあり、そこで橋本様より、詩の朗読が行われました。

                       

                       

                      詩と彫刻が響きあうコラボレーションとなりました。

                      大勢のお客様が会場に観いれられている様でした。

                       

                       

                      さて、最終日は、冒頭に申し上げました通り、望月菊磨先生のご登場です。橋本明様も、会場におられます。

                      作品を見て、作家の方とお話しする事で、全く違った面白さを発見できるかもしれません。

                       

                      ↑「時の庭」俯瞰図です。ひときわ大きな彫刻は、千年樹なのだそうです。

                      写真では見切れていますが、一番上に金色の葉っぱが一枚ついており、膨大な時間と儚さを表します。

                       

                      ↑これは「時の庭」の一部を大きく写したものです。

                      細い棒は、葦や稲のような、植物をイメージされています。

                       

                      作品の中を回遊しながら、見えざる時に思いを馳せるのはいかがでしょうか?

                      最終日お見逃しなく!

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