2017.11.18 Saturday

【東京店】奥山民枝展−雲の記憶−

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    JUGEMテーマ:展覧会

     

    奥山民枝展 ―雲の記憶― が始まりました。

     

    田園調布ギャラリーでは3年ぶりとなります。

     

     

     

    オープン初日、「旅と絵と」と題して奥山先生によるギャラリートークがありました。

     

    『小さい頃に「まっすぐ歩いていくと真後ろからまた元の場所に戻ってくる。」と聞きました。

    球体という概念はまだなかったのですが、ずっとその言葉が頭の片隅で残っていました。

    大人になって、飛行機の窓から外を眺めながら、地球は案外小さいと感じ、少し不安感に

    襲われました。地球は脈打って動いている、と。生き物に感じられました。

     

    20代半ば、スペインを旅して、裕福な人間がいる一方、貧困の中で暮らす人々、色々な

    世界を見て、自分の生きている社会だけが基準ではないと感じ、モノサシ、世界観が崩れ

    ました。

     

    科学的な知識が好きで調べていきましたら、水は不思議な分子だと分かりました。H²O

    水素二つと酸素一つは104.5度で繋がっていて、命の角度と呼ばれます。私たちの存在

    自体は、宇宙の一部、星のかけらだという思いに至りました。

    2年ほど前、南仏の研究機関で人間の血液を調べたところ、太陽系を構成する元素と

    人間の元素の組成、数が一致する、つまり太陽系元素で人間は成り立っていると分かっ

    のです。

     

    “人間とは何か”が制作の大きなテーマになりました。

    いのちの素、元素とは何かということで一つの答えとして元素と太陽を重ねて描いています。

    太陽も人間も同じところにいる、そのことを確かめるために旅をするのです・・・』

     

    左『太陽の謎』、右『雲の記憶 '17-1』

     

    『青日』

     

             

              上 『雲の種-33』、下 『雲の種-18』

     

     

    奥山先生の制作への想いを伺い、皆さまと和やかなひと時を過ごしました。

     

    奥山民枝展は26日(日)まで開催されています。

     

    秋が深まり、みぞえ画廊の庭の木々も色づき始めました。

    心地よい季節、是非画廊にお運びいただき、ご高覧賜りたくご案内申し上げます。

     

     

     

     

    2017.11.12 Sunday

    光行洋子展 Reproduce「再生」19日まで。

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      光行洋子展 Reproduce「再生」開催中です。みぞえ画廊福岡店では、2度目の個展となります。

      100号の新作3点をはじめ、油彩、ドローイング、版画などの作品が並びました。

       

       

      「崩壊と再生」と名付けられた大作は、平成29年7月の九州北部豪雨により川が氾濫し、流木と泥に埋もれた朝倉市の被害に衝撃を受けて制作されたものです。力強い筆致と鮮やかな色使いが鮮烈で、自然に対する畏怖の念のようなものが感じられます。

       

      左端)「崩壊と再生」

       

      突き当りに展示したF100号2点は、今年の猛暑に辟易しながらも、それがもたらす生命の営みに思いを馳せるもの。

       

       

      ドローイングはアクリルガッシュやクレヨンなどで描かれています。ビビットな色彩が、会場に軽快なリズムを与えています。

       

       

      光行洋子先生といえば、故郷の柳川のイメージから描かれた蒼のシリーズが有名ですが、本展ではそれに留まらずたくさんの色味が使われています。それについて、「身の回りの環境などが、けっこう絵に出るほうで」と朗らかに語る光行先生。しかし今日までの作風の変遷は、時代に即応した作品を描きたいと制作をつづけた姿勢の表れでした。

       

      光行洋子先生

       

      光行洋子先生は、1994年、53歳の時のニューヨーク研修を経て、そのまま活動の力点を同地に据え、無我夢中で作品発表を続けました。そして、2001年の個展の一週間後に同時多発テロが勃発。光行洋子先生は、peaceをテーマに作品を制作するなど、命の尊さを噛みしめる出来事の末、 “cosmic blue”シリーズ、別名蒼のシリーズを生み出しました。

      光行洋子先生は、福岡県柳川市のご出身で、生家は割堀に囲まれており物心つく頃には水と戯れて日が暮れるまで遊んでいたといいます。自身の生の原点に立ち返るかのような一連のシリーズは、故郷の自然から得たものを根底に制作してきた中でも、代表的なものになりました。

       

       

      生きた水が脈打つようだと、ニューヨークのアートシーンでも受け入れられていましたが、昨年画業50周年を迎えたことを区切りに、新たな画境へ踏み出す意を込めて、本展覧会タイトルは、「再生」と題されました。

       

      未発表の旧作から、一つのテーマを離れ今描きたいものを自然体で表現した最新作までを、一同にご覧いただけます。

       

      ぜひ足をお運びください。

      スタッフ

       

      JUGEMテーマ:展覧会

       

      JUGEMテーマ:美術鑑賞

      2017.10.27 Friday

      吉村芳生先生とファーバーカステル社との絆を繋いで

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         10月25日、銀座伊東屋にて、9代目ファーバーカステル伯爵の初来日記念イベントが行われ

        参加してきました。ファーバーカステルと言えば、世界中のアーティストから支持されている

        高品質で色彩あふれる色鉛筆で知られるドイツの筆記用具メーカー。弊画廊の取扱作家である、

        2013年12月に惜しまれながら亡くなられた吉村芳生先生は、このファーバーカステル社の色鉛筆を

        100種類以上使って、写真と見まがえるほどの驚異的な写実力のある作品を描かれました。 

         

          作品≪ケシ≫と吉村先生(2010年)

         

         

        吉村先生の没後、2014年に来日された先代の8代目伯爵が作品を見に 田園調布店に来廊され、

        大変衝撃を受けられ、いつか吉村先生の夢であった、ファーバーカステルが生まれたドイツの街で

        展覧会を開催しようと誓い合いました。

        その後体調を崩された伯爵ですが、2015年の銀座伊東屋オープニングイベントで、吉村先生の

        作品展示を依頼していただいたりと、常に吉村先生の事を気に留めていてくださいました。

        その伯爵も2016年1月、病に倒れられました。

         

         

        8代目ファーバーカステル伯爵と阿部専務(作品≪コスモス≫の前で、2014年)

         

        吉村先生の奥様春美さんとご長男の大星さんとともに(銀座伊東屋のイベントにて、2015年)

         

        この度9代目伯爵が来日されると聞き、同じように作品を見ていただこうと思いましたが、

        スケジュールの都合で来廊は叶わず、イベント会場に「フジ」を持ち込みお見せすることが

        できました。その描写力に大変感動され、次回来日時には画廊に見に行くと約束して頂きました。

         

        9代目ファーバーカステル伯爵と作品≪フジ≫ (銀座伊東屋のイベントにて、2017年)

         

        来年には、弊画廊が協力させて頂く美術館での全国巡回展も予定されており、

        ファーバーカステル社との今後の新たな展開をまたお知らせさせて頂きたいと思います。

        吉村先生と誓ったドイツでの展覧会に、また一歩近づいて来た気がします。

         

         

         

        2017.10.18 Wednesday

        永武作品展開催中です!

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          秋雨が続いていますね。今日は久々に晴れ間がのぞきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

           

           

          みぞえ画廊福岡店では、永武作品展を開催中です!

          永武さんは1947年熊本県人吉市生まれ、2009年より福岡県糸島市にアトリエを構え、制作に励んでこられました。鍛冶屋だった古民家を自ら改装し、身の回りのあらゆるものを作品に利用しています。

           

          「千の窓」

           

          油彩とテンペラの混合技法による絵画、流木や廃材を組み合わせたオブジェ、銅版・木版画など、展開の幅を広げつつも、積み重ねてきたキャリアの芯を感じさせます。去年は「糸島国際芸術祭 糸島芸農」にて、自然と調和するインスタレーションを制作されました。

          「いつか糸島の浜辺で、一日だけ、オブジェたちがワッと現れて、次の日には消えてしまっている!みたいな展覧会をしてみたと思いよんよ〜」と語る永武先生。とても気さくな方なのです。

           

          「樹精」

           

          絵画の合間に手慰みで作られるオブジェたちは、いまやファンにとって欠かせないカテゴリの一つとなりました。

           

          「小さなコンダクター」

           

          人物や冬瓜は、永先生が長年描き続けているテーマです。前回の福岡店での個展では、全長240cmのキャンバスに人物を複数人配置し、そぎ落とした要素の中に、社会全体の雰囲気から感じるものをメッセージとして込めた作品が印象的でした。

          今回の大作は、正方形のキャンバスに横たわる人物、同サイズの冬瓜の他、支持体となる板の形をそのまま生かした作品などが並びました。

           

           

           

          シャクヤクを描いた作品。タイトルは「そしてこれから」。

          上から下に伸びていくような板の形、花開く時を夢見てつぼみを膨らまし背筋を伸ばすシャクヤクの姿に、皆様思い思いのイメージを重ねて鑑賞されています。

           

          「春を待つ」「宵ダンス」

           

          作家自身による手作りの額縁は、作品と調和し、あえて朧げに現わされた世界観を優しく縁取っています。

           

          「背中の気配」

           

          背中の気配シリーズには珍しい(初めての)寝姿。永武先生は、基本的に人物画ではモデルは使いませんが、今回はヌードモデルをデッサンしてみたそうです。

          「デフォルメはしたけど、やっぱりモデルがデッサンできると違うね。」

          これまでも、そしてこれからも、ただただ制作と向き合っていくであろう様は、寄せては返す海の営みを思わせるようでした。

           

          永武先生は、ほとんど会場におられます。10月29日まで開催中です。どうぞお出かけください。

           

          スタッフ

           

          JUGEMテーマ:展覧会

          2017.10.15 Sunday

          【東京店】豊福知徳 開催中!

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            さわやかな秋晴れの続く今日此頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

            2014年、東京店で開催されてから3年、2度目の開催となる豊福知徳展。

            初日から多くのお客様が来廊されています。

            今年で、92歳となる彫刻家 豊福知徳、展覧会は1022日(日)まで開催しております。

             

            196035歳の時、ベネチアビエンナーレへの出品を機にイタリアに渡り、その後40数年間

            豊福先生はミラノに住み続けて制作をされることになります。

            その頃、新しい空間主義を推し進めていたイタリアの作家フォンタナ、カステルラーニ、マンゾーニ

            などの作品を目にし、影響を受けたことで、それまでの日本の伝統的感性を持つ簡潔な具象彫刻から

            抽象作品へと作風が変わる要因になったと豊福先生は語っておられます。

             

            和室に彫刻 CAELUM(左)、立像(中)、CALUM(右)を展示。彫刻立像のズーム画像。

            「仏像を意識しているが、抽象的不動明王を造るのはとても難しい。」と先生はおっしゃています。

            凛として立つ半具象的な『立像』は静けさと気品を漂わせた、マホガニーで彫られた作品。

            これらの立体作品の他、魅了的なデッサン画などもご覧頂ける、見応えのある展覧会です

            デッサンを展示

             

            正面玄関に大作「光の探求'85」を展示

            玄関に展示された『光の探求‘85』は、マホガニーという固い木に穴を穿った、手わざのノミ跡が鮮やかに

            刻印された6枚の板からなる屏風状の作品で、60歳という充実した年齢の頃に制作された大作です。

            博多凸版印刷にある別の「光の探求」という作品に対しては「体力・技術とも限界を極めたもの。」とも

            おっしゃっています。

             

              

            彫刻「光の探求'85」のズーム画像      彫刻「光の探求'85」の後側 

            空間に調和しながらも、ノミ跡の美しさと楕円形のフォルムが無数に重なり合い、優美な空間を漂わせている。

             「ある時、丸ノミで板に穴の窪みをつけた後、ふと思いつき、板の裏側から同じように

            窪みを彫ってみたら、表と裏の窪みの接点に穴があいた。偶然の空間的効果に目を見張った。

            穴の中の空気もいわば気体が造る彫刻なのだ。」と感じられたそうです。

             

              

             ブロンズ「構成V」              

            ミラノのアトリエ近くの古い石畳の表面に心魅かれ、実際の石畳をうつして1枚の厚いブロンズに

            鋳造し、楕円のフォルムをあしらった作品。

             

             

            書斎にデッサン

             

             

            書斎の展示風景

             

             

            リビングの展示風景

            広いリビングに、木彫、デッサン、ブロンズ作品を展示し、ゆったりした空間でご堪能いただけます。

             

            茶室に、木彫「漂流」(左)マホガニー「構成」(右)を展示

            2点の木彫が共鳴し合い、一種独特の和風空間となっています。

             

            開催2日目、3日目と在廊され、懐かしい方々が久しぶりに先生のお顔を拝見し、スタッフともに嬉しいひと時を過ごしました。若い頃から武道館に通い剣道で鍛えられたお身体、何気なく腰かけていらっしゃる姿勢の美しさ、後姿に思わず見惚れました。

            作品数は31点を展示し、まとまった形でご覧いただける貴重な展覧会です。

            皆様には、是非ご高覧賜りたくご案内を申し上げます。

             

            2017.08.26 Saturday

            産炭地・直方が原点、上川 伸 個展は9月3日まで!

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              みぞえ画廊福岡店にて開催中の上川伸個展は、東京店と合わせて、みぞえ画廊では4回目の個展となります。

              印象的な作品もさることながらタイトルも作品の輪郭を強めているかのようです。

              言葉からインスピレーションを得て、言葉に込められた意味を形にしていくことも多いそうです。

               

               

              今までの心象風景とは違ったテイストの新作も見受けられます。タイトルは「包含」。

               

               

              直方という産炭地の出身である上川伸先生の作品は、土色、黄色が強く印象に残ります。

              煤に染まった街に暮らす人々の生命力と、それを支える大地の力は、美意識の根源でもあるといいます。

               

              今回の大作は、F150号(2273x1818mm)の、「SHELL」という作品です。

              SHELL=貝、殻、弾、皮、甲羅、介・・・。様々な意味がある単語です。

              大きな建造物のような物が描かれていますが、それは一歩の柱のみで自立しています。

              さらに上に向かって建設が進むのか、骨組みが飛び出しています。

               

               

              地平線をぼかしたり、かたちの角度を試行錯誤するなど、「スケール感」の表現に挑戦した今作。

              細部は風化しているようにも見えます。

               

               

              そのほかの作品にも変化が。今までの上川yellowの上に、コバルトブルーが風化したような色が加わっています。

              忘れられた遊具のような粉っぽい青は膨大な時の流れを感じさせます。

              形の大きさ、戻らない時間というものの大きさ、それらが表現された作品の存在感を是非、ご覧ください。

               

               

              上川伸先生の廃墟好きの一面が発覚。廃墟好きの方は琴線に触れるのではないでしょうか?!

               

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              2017.07.30 Sunday

              【福岡店】絵画の目展 開催いたしました!

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                絵画の目展が本日19時まで開催中です。

                開催初日には、遠方からの出品作家の方々もオープニングパーティーに出席され、会場はたくさんのお客様で賑わいました。

                 

                 

                滝純一先生は、二紀展内閣総理大臣賞を受賞した作品と同タイトルの作品を出品されました。羊を描くきっかけとなったのは、アトリエの近くにある農家から逃げ込んできた羊との出会いだったそうです。

                 

                 

                河内成幸先生の作品は、木版凹凸版刷りという技法を作り、木版画の新しい表現を展開されている方です。近年取り組まれている富士のシリーズで、古典的な図柄を現代的にアレンジすることで日本文化の起源を探ります。

                 

                 

                 

                三村伸絵先生は、植物や自然界の美しさに対する感動を、写生を繰り返すことで純化した状態で、和紙に筆を下すことの重要性を、日本画の技法なども交えて丁寧に解説してくださいました。

                日本画の白色は胡粉、すなわち牡蠣の貝殻の粉末でできており、これを膠で捏ねて、小皿に100回以上たたきつける工程が必ず必要なのだそうです。それをおろそかにすると、ざらざらとして透明感のない白になってしまい、下準備の取り組みが分かりやすく表れる部分です。

                 

                 

                樺山祐和先生の作品は、一見して墨で描いたように見えますが、すべて油彩です。

                遠くから見た時と、近くから見た時では、見えてくる形や色が違います。

                 

                 

                川合朋郎先生の作品は、幻想的な色彩とタッチで、人間の根源的な姿を示唆するようにも思えます。物語のワンシーンを切り取ったかのようなタイトルもそれを彷彿とさせます。

                 

                 

                東京でしか見れない作家の方の作品が福岡で見ることができるとあって、たくさんのお客様がご来廊されました。

                みぞえ画廊では初めて取り扱う作家の方々の作品で、新鮮な驚きをもって鑑賞されました。

                 

                 

                大庭英治先生の作品は、何気ない日常の様子を題材に描く抽象画です。こちらのタイトルは「卓上」。清涼感のある鮮やかな色彩に惹かれたお客様、電撃的売約です。

                 

                 

                工藤晴也先生の作品は、大理石や色ガラス、鉄くぎなどを敷き詰めたモザイク画です。巨大な壁画などを依頼制作されていることが多く、今回、画廊への小さな作品の発表は初めてでした。

                 

                 

                藤田邦統先生の作品は、タイトルは「しま」。同タイトルの作品を多く制作されており、個展のタイトルにもなっています。想像を膨らませることのできる作品です。

                 

                 

                西村冨彌先生の作品は、今まで見た様々なものを重ね合わせて作り出される心象風景です。どこか現実味のない世界観によって、鑑賞者は前後の感覚をなくしてしまうような不思議な作品です。

                 

                 

                大川心平先生の作品は、ロココの代表的な作家であるジャン・オノレ・フラゴナールの「ブランコ」を下敷きとしています

                文献などでも引用といった手法があるように、美術にも、これまでの美術の文脈を作品の中に盛り込むことがあります。

                ロココ調の作品に時代的揺さぶりをかけるために描かれた現代的な街やガスボンベ、そして道路標識。

                この仕掛けに共感するように、こちらも売約となりました。

                 

                 

                今井麗先生の作品は、トースト、おそらく朝食の様子を油彩で描いた作品です。軽やかな筆致がトーストの触感を思わせます。

                1982年生まれとお若いですが2児の母。生きる糧を描くということには、感謝の念が感じられます。

                 

                 

                皆様ご来場ありがとうございました。

                福岡店

                 

                 

                2017.07.13 Thursday

                【東京店】没後25年 平野遼展開催中

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                  東京店では7月8日より 没後25年〈 平野遼展 〉が始まりました。

                   

                  平野遼の生い立ち、画歴に関しては福岡店での「平尾遼展」スタッフブログ
                  (2017年3月15日)に詳しくございます。ぜひ併せてお読みください。

                  http://blog.mizoeartgallery.com/?eid=151

                   

                  常に人間の内なる深淵を見据えて制作された深い色調の油彩、水彩絵の具が
                  乾ききらないうちに蝋燭を擦りつけていくことを繰り返して偶然発見した蝋画、
                  銅版画など、群像・肖像・周辺の人々・心象風景を描いた24点です。

                   

                  まず「木陰の下の群像」100号が目を引きます。
                  大きな樹の木陰に人々が集まり、熱心に何を語り合っているのか…
                  「昔はどの地方にもシンボルツリーがあってそこに人々が集まってくるものだった。
                  今はそんな木がなくなりましたね。」と話された方がいらっしゃいましたが、これは
                  中央アジア・プラハへの旅の1枚です。
                  平野遼は1974年から毎年のようにヨーロッパ、中央アジア、モロッコなどへ
                  出かけました。

                   

                  油彩画「砂漠の人」、「フィレンツェの人」、「手相見を囲む女たち」
                  更に「城壁の前の男 モッロッコにて」「カスバの老人」などは、軽快な筆致で
                  彫りこんだドライポイントの作品で、それぞれ旅先で出会った人々を描いています。

                   
                  「木陰の下の群像」100号

                   
                  「フィレンツェの人」1978年20号 「手相見を囲む女たち」1970年10号

                          ドライポイント


                                  デッサン「自画像」

                   

                  「自画像を描く仕事は、自分を凝視することで、遥かに遠い彼方から生成する命を
                  掴み取ることのようで、完成など永遠にあり得ないかもしれません。」と1990年の
                  対談で平野遼は語っています。

                   

                  明るい光の背景の前にあって、手を組みじっとこちらを見つめ、圧倒的な印象で迫り、
                  観る者の心に問いかけてくる。この「像」の前に立ち、向き合い、静かに感じて
                  いただきたい画家の心象風景です。
                   

                                「像」1971年40号

                   

                  ほかにも抽象画の数々、俳優内藤武敏を描いた「手を組む男」など興味深い作品が展示されています。


                                   

                     
                     

                   

                  梅雨明けかと思わせる暑い日々が続いていますが、平野遼展は7月23日(日)まで
                  是非お出かけください。

                  2017.06.30 Friday

                  進化はとても創造的です 田部光子展 開催中です!

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                    みぞえ画廊福岡店にて、「進化はとても創造的です 田部光子展」開催中です。

                     

                     

                    初日、6月24日には、あいにくの雨天でしたが、それでも沢山の方が来られました。ニューヨークまで先生の個展を見に行ったこともある熱烈なファンの方もおられました!

                     

                     

                    キャンバスだけでなく、アクリル額の内側にマーカーで描く事で、わずかな奥行きを最大限に生かす、「さようならボネガット」「色彩の魅力」は、常に進化を続ける田部光子先生の、意欲的新シリーズ。ボネガットとは、20世紀アメリカ人作家の中で最も広く影響を与えた人物とされている、カートボネガットを指します。

                     

                     

                    会場の中央に並ぶ3点の大作はギリギリまで制作していたという最新作です。金箔、真鍮の林檎、引用文、コラージュ、絵の具を滴らせる描法など、集大成とばかりに要素がミックスされつつも、突き抜けるような明朗さを失いません。

                     

                    前回、みぞえ画廊田園調布店での個展の目玉であった「風神雷神図屏風」のオマージュ的作品と、

                     

                     

                    絵の具のしたたりで重力の力を表し、天気予報図のコラージュと合わせることで宇宙の因果を表現した「万有引力」の屏風仕立ての作品も登場しました。

                     

                     

                    画集にも掲載されているシリーズで「jewelry box」またの名を「宝箱」。

                     

                     

                    その細部は、卵の形をしたオブジェが並び、さらにビーズが敷き詰められています。

                    それらはかわいらしくも、臓器のような毒々しさも感じられます。

                     

                     

                    田部光子先生は、しばしば会場にいらっしゃいます。ぜひご本人のエネルギッシュな様子もご覧いただきたいと思います。

                     

                     

                    JUGEMテーマ:展覧会

                    2017.06.07 Wednesday

                    小嶋勇展−EARTH−開催中です!

                    0

                      みぞえ画廊福岡店にて、小嶋勇展―EARTH—開催中です。

                       

                       

                      初日はオープニングパーティーがあり、たくさんの人でにぎわいました。

                      気さくでおおらかな先生のお人柄を慕って、幅広い世代の方々がご来廊されました。

                       

                       

                      どの作品も、鮮やかな色が印象的です。

                      鳥の視点で大地を臨んだ様子をイメージして描かれたEARTHシリーズと、

                       

                       

                      おぼろげな蝶のシルエットが現われる、蝶の森シリーズ、その他数点の小品で構成されています。

                       

                       

                       

                      小嶋勇先生は、8年間ブラジルに定住され、アーティスト活動をされていました。その後も日本とブラジル、その他の海外を行き来しながら作品発表を続けられています。

                      使われているのは和紙。それを水で湿らせ、水溶性の油絵具を刷毛で何度も塗ったり、絵具をかけ流すことで、筆で描く従来の絵画とは全く違った絵肌を完成させています。

                      工程の中で、和紙に自然に穴やしわが出来ます。それをそのまま生かし作品にすることで、人知では触れることのできない領域をも表現されているように思われます。

                      「どうやって描いているんですか?」という質問に、小島先生は一つ一つ丁寧に答えていらっしゃいました。

                       

                      (部分)

                       

                      (部分)

                       

                      作品を眺めていると、白く、ひび割れたような箇所が目に留まります。

                      和紙とは違い、硬質で、しっとりとしているように思われる部分で、大理石の粉が主な成分ということです。

                      人工物をイメージしておりやはりこれも、塗ったあとに自然にひび割れてくるのだそうです。(取れたりはしません)

                      人が作ったものはやがて朽ちてゆくのに対して、自然は絶えることなく残ると考え、その普遍性をEARTHシリーズでは表現しています。

                       

                      会期はあと一週間となりました。土日は作家の方が在廊している可能性が高いので、是非ご来廊ください。

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